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水田の大敵「ジャンボタニシ」 小田原で食害拡大

話題 | 神奈川新聞 | 2020年8月19日(水) 12:30

地元農家「徹底的に駆除を」


水田の中で小石のように見えるジャンボタニシ=小田原市上曽我
水田の中で小石のように見えるジャンボタニシ=小田原市上曽我

 水田の苗を食い荒らす外来種のスクミリンゴガイ(通称ジャンボタニシ)の被害が小田原市内でも広がっている。これまでは県央、湘南地域で発生が確認されていたが、3年ほど前に市北部で確認されると一気に周辺の約60ヘクタールにまで広がった。地元農家は「あっという間に増えた」と驚き、対策に追われている。

 ジャンボタニシは南米原産で、日本へは食用として1980年代に持ち込まれたが、その後に野生化。田植え直後の柔らかい苗を好み、初めは西日本を中心に被害が発生した。県によると、県内では2009年に平塚市で最初に見つかり、その後、県央、湘南地域で被害が確認されるようになった。


水田の壁面に付くピンク色のジャンボタニシの卵=小田原市上曽我
水田の壁面に付くピンク色のジャンボタニシの卵=小田原市上曽我

 県西部では3年ほど前に小田原市北部で確認。現在は上曽我、曽我、東大友、永塚、千代地区の計約60ヘクタールで被害が確認されている。各地区は用水路などでつながっており、さらに下流の地区にも被害が広がっているとの見方もある。県では19年度から地元での駆除活動を支援、20年度からは啓発活動にも乗り出した。市も20年度から地元住民の団体へ駆除を委託しているという。

 苗の被害は水田の水入れ口付近に多く見られ、その周辺の苗がまったくない水田もある。1匹が3カ月間に3、4日の間隔で産卵を繰り返し、一つの卵塊からは80~100匹ほどがかえるという。6~8月ごろには用水路の壁面や稲などにピンク色の卵がびっしり付く場面も見られる。

 地元では3年前から個々の農家で駆除作業を行っていたが、昨年から地区全体でやるようになった。ジャンボタニシそのものに加え、卵も対象で、永塚地区では8月末までに成体約400キロ、卵約3万5千個を駆除するという。「卵が全部かえっていたら、と思うとぞっとする」という同地区の農家の男性(74)は「寿命は4年ほどというから、しばらくは徹底的に駆除をやる」と話す。

 卵には毒があるため、市は地元小学校などに触らないようチラシを配布。今後も状況を見てJAや他自治体を参考に対策を検討していく。

 
 

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