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在来大豆、実は負担軽く単価高い 農業存続へ南足柄で挑戦

話題 | 神奈川新聞 | 2020年8月17日(月) 12:20

大豆の栽培に取り組む平井さん(左)と生沼さん=南足柄市和田河原
大豆の栽培に取り組む平井さん(左)と生沼さん=南足柄市和田河原

 農業人口の高齢化が進み、耕作放棄地が増加する中、作業効率の良い作物を育てることで負担を軽減しようと、南足柄市の農家が県内に古くから伝わる大豆「津久井在来大豆」の栽培に取り組んでいる。生産者は「次の農業を担う若手世代へのアピールにつなげたい」と話している。

 津久井在来大豆は、旧津久井郡(現相模原市緑区)を中心に、古くから栽培されてきた大豆。戦後、栽培面積が減っていたが、近年、県の「かながわブランド」にも指定され、特徴である優しい甘さを活かした豆腐などの加工品の販売も増えてきている。

 晴天となった今月3日、南足柄市和田河原の畑一面に広がる青い大豆の苗が、風にそよいだ。同所で農業を営む平井和夫さん(64)と生沼正光さん(64)は、苗が風雨で倒れないよう土を盛り、茎を支える「土寄せ」に汗を流した。約20~25センチの苗は今後、50~60センチに成長する。紫の花を咲かせ、枝豆を経て、11月ごろ大豆として成熟する。

 平井さんの住む地域では、この10年ほどで高齢化が進み、委託料を払って業者に管理を頼んだり、維持ができなくなったりする農家も増えてきた。平井さんも跡継ぎが見つからないことを懸念していたという。

 そんな中、2人は市が昨年から展開している「みなみあしがら大豆プロジェクト」を知った。大豆の栽培の委託事業を請け負う「なんかいファーム」(同市矢倉沢)の清水洋社長に協力と指導を依頼したところ、「地域農業の存続のためなら」と快諾を得て、今年から一緒にプロジェクトに取り組むことに。

 計約7千平方メートルだった同プロジェクトの作付面積は、2人の畑や近隣の農家の畑の管理も借り受けたこともあり、今年は計約1万5千平方メートルに増えた。約1・5~2トンの大豆の収穫が見込めるという。

 2人は、梅雨の時期は種子が水浸しにならないよう注意を払い、肥料や除草剤を入れるタイミングを学ぶなど「勉強の日々」という。プロジェクトの終了期限の21年度末までに、大豆栽培のノウハウを身に付けるつもりだ。

 大豆は水やりがほとんどいらず、種まきや収穫などの作業の大半を機械化できるため、人手不足を補うことができる。これまで育てていた米よりも販売単価も高い。2人はそのまま出荷するだけでなく、地元の豆腐店などの協力を得て豆乳や豆腐、納豆といった商品化も目指すという。

 生沼さんは「ゆくゆくは2人だけでなく、近隣の農家も巻き込みたい」。平井さんは「農業で効率的に収益が見込めることを実績で示し、若い世代の就農につなげたい」と話している。

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