新型コロナウイルスの影響で海水浴場が開かれない鎌倉の夏。ビーチでの救護や見守りを担ってきた「鎌倉ライフガード」のメンバーが「子どもたちだけでも、安心して海で遊べる夏にしたい」と立ち上がった。小中学生向けの教室や幼稚園・保育園児の海遊びのサポートに力を注ぎ、「安全に楽しめる鎌倉の海を次世代に」との願いを込める。
まぶしい日差しが照り付ける8月上旬の朝。鎌倉市材木座の青い海に、日焼けしたライフガードと、約30人の子どもたちが集まった。海の楽しさと安全を学ぶサマーキャンプだ。
レスキューボードやライフジャケットの使い方を学んできた子どもたちはこの日、海上のゴールにシュートを決めるボール遊びや、ボードでの波乗りを楽しんだ。
小学4年の北鬼江純さん(9)は「ボードに乗れてうれしい。クラゲに刺されないように安全に遊びたい」と笑顔を見せ、ライフガード歴5年の涌井一輝さん(20)は「企画がなければこの笑顔もなかったと思うと、やって良かった」とほほ笑んだ。
鎌倉ライフガードは1989年に設立。会社員や高校・大学生ら約90人のメンバーは毎夏、市の委託で市内の3海水浴場で救護や監視などを担うほか、救助トレーニングや海岸清掃など年間を通じて活動している。
しかし、コロナ禍で海水浴場の開設が中止となった今夏はその活動が大幅に縮小された。