神奈川ゆかりの作品を県民が選ぶ「神奈川本大賞」が2年ぶりに開催され、女性警官の活躍を描く「白バイガール」(実業之日本社)が大賞に輝いた。賞の質をより高めようと、初回の2014年と異なる選考方法で実施された。
対象は15年5月からの1年間に国内で刊行された神奈川ゆかりの作品。実行委員会が神奈川新聞の読書欄「かながわの本」掲載リストをウェブ上で公開するなど、書店員や図書館員らから投票を募り、まず4作品に絞った。7月から県民を対象に2次投票を実施して大賞を決めた。
「白バイガール」は神奈川を舞台に活躍する女性警官を描いた作品。授賞式は10月24日に都内で行われ、著者の佐藤青南さんは「本を読まなかった頃の自分に向けて書いた。多感な時期に接した本は心に残るので、特に中高生に読んでほしい」と話した。
賞は紀伊国屋書店やサクラ書店などの有志らにより創設。初回は既刊も含め幅広く募集し、推薦コメント付きのノミネート作に投票する形式だった。実行委でオリオン書房の高野大輔さん(35)は「今回をベースに来年以降も充実させ、神奈川を本でつないでいきたい」としている。