箱根ロープウェイは14日、来年1月10日から4月14日まで、早雲山-大涌谷間の運転を休止すると発表した。箱根山・大涌谷周辺の火山活動活発化に伴う立ち入り規制の影響で、先延ばししていた設備改良工事を実施する。火山ガスや湿気による電気系統の不具合への対策強化がメイン。
両駅間は噴煙地を眼下に見るエリア。同社によると、ゴンドラの稼働や停止をコントロールする制御盤の部品が火山ガスなどでさびたり腐食したりすると、電気系統に不具合が生じて運転不能となる。2013年度から15年5月初旬には同区間で計6回、電気系統のトラブルで長時間運転を見合わせるケースが生じていたという。
今回の改良工事では、両駅に新たな制御盤を増設する。大涌谷駅は制御室を増設し、早雲山駅は制御室の密閉性を高める改修を実施。同社は「電気系統の不具合が生じたときに、もう一方の制御システムに切り替えることで運転を継続できる」としている。
ロープウェイは火山活動活発化の影響で、昨年5月6日に全線で運転を休止、今年7月26日に全線再開した。改良工事は当初、今年1~3月ごろに予定していたが、立ち入り規制に伴い先延ばししていた。前回は02年に設備を更新していた。
工事期間中も桃源台-大涌谷間は運転し、運休区間は午前9時から午後4時まで、代行バスが運行する。設備メンテナンスに伴う月2回の運休日は、11月から月1回に減らした。