昨年10月の台風19号による被害を受け箱根湯本─強羅間で運休していた箱根登山鉄道が23日、約9カ月ぶりに全線で運転を再開した。新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、4連休初日の箱根は多くの観光客でにぎわった。
強羅駅近くの沿線では、箱根町観光協会などの呼び掛けで集まった約100人が、「お帰りなさい!箱根登山鉄道」などと書かれた横断幕を掲げ、通過する電車に向け手を振って歓迎した。
同日の会見で同鉄道の抱山洋之社長は「防災やコロナ対策を進め、何よりもお客さまの安全・安心を提供していく」と決意を表明。箱根町の山口昇士町長も「大勢の皆さんに迎えられたことが喜ばしい。体調を整え、箱根でゆったりと過ごしてもらえたら」と述べた。
同鉄道は大雨により宮ノ下─小涌谷間の「蛇骨(じゃこつ)陸橋」で線路が橋脚とともに流失するなど大きな被害を受けた。全線再開は今秋の見通しだったが、暖冬や近隣住民の工事への理解もあり、大幅に前倒しとなった。