高い品質、認知度向上

平塚市内の障害者就労支援施設の利用者らが手作りした商品を販売する平塚市役所内の福祉ショップ「ありがとう」が、オープン6年で売り上げ1億円を突破した。各施設が商品開発に汗を流し、充実した品ぞろえと高い品質で、地道に認知度も向上。障害者の生きがいと社会参加の場となり、関係者は「平塚の福祉施設がまとまれば大きな力になる」と自信を深める。
七夕飾り
6月下旬から店先には小さな七夕飾りが並んだ。NPO法人「山晃央園」が手掛ける定番商品。約40人の入所者が竹を切り出して削り、短冊飾りを結ぶなどして手作りした。
「湘南ひらつか七夕まつり」の時期に合わせ毎年、約千本を生産し、売り上げは障害者の“夏のボーナス”になる。今年の七夕まつりは中止となったが、地元経済団体が80本以上を購入。今夏も約400本の売り上げを見込み、職員の一人は「働いて給料をもらい、自分で買い物をする。それが障害者にとって自分たちも社会の一員だという意識につながる」と話す。
開店6年
「ありがとう」は1990年代に始まった年1回の展示即売会が前身。2014年に新築された市庁舎の1階に間借りし、常設スペースとしてオープンした。市内を中心とした32団体でつくる運営協議会が運営する。毎朝、各施設から仕入れるのはパンや菓子、弁当、小物のほか、畑で取れた野菜も。売り子は各施設の職員や障害者が担当する。
「まんべんなく商品が売れるようになった。6年間やってきて市民から重宝されるようになった」と手応えを口にするのは、運営協議会の髙橋眞木会長。年間売上は1700万円前後で推移し、開店から5年11カ月となる6月23日に1億円の大台を突破した。