5月に米国で心臓移植を受けた横須賀市立森崎小学校3年の岡崎雫(しずく)さん(8)が3日、小学校に本格復帰した。「もう一度、小学校に通いたい」-。2年前から入院生活を余儀なくされ、渡米後に生死の淵もさまよったが、今は見違えるほど元気に回復したという。復帰に当たり、両親はこれまでの闘病生活を振り返るとともに、多くの優しさに感謝する言葉をつづっている。
心臓移植のための寄付を募っていた「しずくちゃんを救う会」が5日、フェイスブック上で、小学校復帰を報告。その中で、両親がコメントを寄せた。
雫さんは3歳の時、心筋症と診断。小学1年生だった2016年9月に学校で意識を失い、難病の「左室心筋緻密化障害」と診断された。
心臓移植を受けさせるため、両親や知人らは17年7月、救う会を立ち上げ、手術費用を募った。多くのチャリティーイベントが開かれ、約5カ月後に目標の3億1千万円に届いた。今年2月、雫さんは渡米した。
だがドナー待機中に容体が急変し、一時危険な状態に。両親はコメントの中で「目の前で何度も電気ショックを与えられて浮き上がる娘の姿は壮絶でした」と回顧した。
2度の手術で一命を取り留め、5月10日に移植手術を受けた。「術後はとても順調で(中略)、よく食べるようになり、少しずつ体も動かせるようになりました」。9月に帰国。両親は「娘の苦しんでいた姿や大変だったことが、頭の中にスライドショーのようにたくさん浮かんできました。よく耐えてここまで辿(たど)り着いたと思いました」と率直な思いを記した。
帰国後、体調を崩したこともあったが、今月3日から元気に登校しているという。両親は「子どもらしく笑い、遊び、勉強し、泣いて、怒って、悲しんで、喜んで。これらができるのは生きているからこそです」とあふれる喜びを表現した。
そして最後に、「小さな命ですが、雫にとってはかけがえのない人生です。娘のたった一度きりの人生を温かい想(おも)いで守っていただき、ありがとうございました」と感謝の気持ちをつづった。