町の魅力の再発見につなげようと、松田町が始めている「まつだマイスター検定」の難しさがちょっとした話題だ。過去4回の検定に延べ32人が挑んだが、100点満点の90点以上に贈られる「おもてなしマイスター」の称号を得た人は、いまだゼロ。非公式で受検した町長も90点を取ったのは4回目だ。町は「だからこそ価値がある」として「栄えあるマイスター第1号を目指しませんか」と呼び掛けている。
「松田瞳が本名(旧姓)の女優は誰」「松田ブランド認定品第1号は」-。
出題される問題のジャンルは幅広い。
松田姓のルーツとされる町の特徴にちなんだものや、文化・歴史、観光資源、果ては「行政のPRを兼ねて」条例や補助金など町の施策について問うものも。長く町に住む人の頭さえ悩ます難問だ。
検定は町のおもてなし事業の一環で、昨年2月にスタートした。選択式と記述式の計50問の筆記試験で、配点は各2点。主に2007年4月以降の広報紙で取り上げた話題から出題しているという。
「知ることで町を好きになってもらいたい」「どんどん受けてどんどんマイスターになって」と町民以外も歓迎。参加無料にもしているが、思惑に反して挑戦者数も得点もやや寂しいのが現状だ。
昨年2月の第1回には11人が受検し、最高得点は70点、平均56・6点。その後の3回の受検者は6、6、9人と続き、平均点は62~67点だった。
非公式でチャレンジしている本山博幸町長も第1回の72点から88点、80点と続き、前回の受検でようやく90点を獲得。ハードルが低過ぎても良くないが「ここまでマイスターが誕生しないのもいかがなものか」との声も周囲から出始めているという。
町はマイスターに輝いた人の特典として、男子ゴルフの最高峰であるマスターズ優勝者に贈られるグリーンジャケットにあやかり、特製ポロシャツも作製した。
背中に「おもてなしTOWNまつだ」、左袖におもてなしのマークとマイスターの文字を配し、S、M、L、XLの4サイズを用意。「本家は美しい芝の緑色なので、こちらは町の樹(き)サクラをイメージしたピンク色」と松田色を前面に出番を待つ。
第5回は12月16日午前9時半から町役場会議室で。受検者には桜と富士山をあしらった特製缶バッジをプレゼントするが、マイスターの誕生は果たして-。ちなみに、冒頭の問題の答えは「八千草薫」と「サクラマスの薫製」。
申し込み・問い合わせは町政策推進課電話0465(83)1222。