
相模原市緑区の石老山(標高694メートル)周辺の山並みを「相模の寝姿観音」と名付けて歌にしたCDを、地元・旧津久井地区のPRに力を入れる印刷会社社長、秋本敏明さん(66)=同区=が制作した。作詞は妻の敦子さん(64)、作曲は地元のシンガー・ソングライター夕凪(ゆうなぎ)禅次郎さんが手掛けた。秋本さんは「寝姿観音を広く知ってほしい」と、3、4日に地域で開かれる文化祭で歌を披露する。
敦子さんはこれまで、寝姿観音をテーマに2首の短歌を作っていた。秋本さんはこの短歌を山並みの写真に重ねたフォトスタンドを作成し、津久井湖観光センター(同区太井)や市のアンテナショップ「sagamix」(南区相模大野)などで販売してきた。
秋本さんが「寝姿観音を世界に発信したい。短歌に曲が付いたらいいな」と会員制交流サイト(SNS)に投稿すると、それを知った夕凪さんが作曲を引き受けた。敦子さんの短歌を曲の後半に、前半には夕凪さんが詞を補った。
だが2番まででは短い。そこで、敦子さんが冬を詠んだ短歌を追加。「風が吹く湖に 月を揺らした漣(さざなみ)に 僕はまたここに来た あの日と同じ秋の宵(よい)『観音の寝姿ここにうるわしく 相模の山に御身横たえ』」と秋から始まり冬、春、夏と続く4番までの曲にまとめた。夕凪さんが歌い、秋本さんがCDを制作した。
「短歌を作るなんて学生時代以来のこと。子育てや親の介護など、ここで過ごした40年間を思って作った」と敦子さん。秋本さんは「地元の合唱グループなどに歌ってもらいたい」と願う。
歌は3日に津久井中央公民館(緑区中野)で、4日は津久井生涯学習センター(同区三ケ木)で披露される。秋本さんがマイクを握るとあって、敦子さんは「ちゃんと歌ってね」と心配しながら応援している。CD(1枚千円)は津久井湖観光センターで販売する予定。