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「闘病支えたい」 横浜の9歳、ウイッグ用に髪の毛寄贈

話題 | 神奈川新聞 | 2020年6月14日(日) 10:26

ヘアドネーションで髪を切り、マスクを外して笑顔を見せる美容師の大槻咲季さん(左)と松浦結音さん=横浜市中区
ヘアドネーションで髪を切り、マスクを外して笑顔を見せる美容師の大槻咲季さん(左)と松浦結音さん=横浜市中区

 病気で髪を失った子どもたちに、寄付された髪の毛でつくった医療用ウイッグ(かつら)を贈る「ヘアドネーション」。青山学院横浜英和小学校4年の松浦結音(ゆね)さん(9)=横浜市中区=は13日、「自分にできることをしたい」と3年間伸ばしてきた髪を切った。末期がんと闘った被爆者の女性と重ねた交流が、少女のいちずな行動を後押しした。

 「軽くなったね」。美容室「カフネ」(同区)で、長い髪にはさみを入れた美容師の大槻咲季さん(29)が語り掛けると、結音さんはにっこりと笑った。ヘアドネーションへの協力は2回目。きっかけは、幼稚園児の頃に訪れた広島での体験だった。

 母親の郁代さん(38)らと平和記念資料館などを見学し、被爆体験を語り継ぐ今田洋子さんの存在を知った。原爆症の認定を受け、全身に複数のがんが見つかっていた。その体調を案じた結音さんは、横浜から手紙を差し出した。

 いつか今田さんの体験を聞きたいこと、研究者になって病気を治す薬を作りたいことなどを、一つ一つ丁寧な字でつづった。「広島に来てくれてありがとう。人のために生きる人になってくださいね」。ほどなくして今田さんから返事が届いた。

 医師の父からも、抗がん剤の副作用で髪が抜けることなど、がんや白血病の患者が懸命に病と闘っている現実を聞かされた。「今田さんと同じ病気の人のためにできることをしたい」。母に勧められたヘアドネーションに協力すると決め、6歳の時に初めて髪を寄付した。

 その1カ月後、今田さんは73歳で息を引き取った。対面することはかなわなかったが、手紙に書かれた言葉をかみしめるように、再び髪を伸ばし続けた。人の役に立ちたい一心で。

 それから3年余り。「カフネ」で迎えた散髪の瞬間、66センチあった髪がおよそ半分の長さになると、緊張が解けたような表情で語った。「夏は暑くて伸ばすのが大変だったけど、誰かのためだと思って頑張った。病気で困っている人に喜んでもらいたい」。ヘアドネーションを続けるため、再び髪を伸ばしていくという。

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