富山県南砺市の五箇山地方に伝わる民謡「こきりこ」などを披露するイベント「世界遺産五箇山がやってくる」が20日、川崎市立日本民家園(同市多摩区枡形)で始まった。南砺市を拠点にアジアを中心とした海外公演を続けている「越中五箇山こきりこ唄保存会」が、竹製の素朴な楽器の音を響かせた。21日まで。
今回の公演の舞台は、南砺市から移築された旧江向家、旧山田家、旧野原家の合掌造りの古民家3棟に囲まれた庭。保存会の8人が、短冊状の薄板をひもでつないだ「ささら」を鳴らすとともに、竹製の楽器を鳴らす独特の音色に合わせて踊りを披露し、来場者を魅了した。
古民家の座敷では、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されている「城端曳山祭」や五箇山の生活、古くから伝わる彫刻文化などが紹介されている。
保存会の岩崎喜平さん(68)は「日本の芸能の原点を感じてほしい」と来場を呼び掛けている。
21日のイベントは午前10時~午後4時半。「こきりこ」などの民謡は正午からと午後2時からの公演(各約30分)がある。問い合わせは、民家園電話044(922)2181。