
かつて横浜市港北区で栄えた温泉街の歴史を探るドキュメンタリー映画「続・綱島温泉物語」が、同区の今昔を紹介する動画を集めたサイト「港北映像ライブラリ」で期間限定公開されている。市民団体メンバーが区制80周年の昨年に制作・上映した作品だが、コロナ禍の在宅支援として初めてウェブで公開した。制作者は「外出自粛の間に、地元の歴史を知ってほしい」と呼び掛ける。
「続・綱島温泉物語」は、同温泉の発祥を伝える石碑が廃棄の危機にひんした“事件”を発端に、関係者らにインタビューを重ねて温泉の歴史をひもとく52分の作品。5年前に綱島の温浴施設の廃業を機に制作した第1弾の続編で、映像ライブラリを構築する市民団体「わがまち港北映像プロジェクト」メンバーの伊藤幸晴さん(59)=港北ふるさとテレビ局代表=が中心となって制作した。
すでに区内4カ所で上映し、DVDも発売しているが、コロナ禍の在宅者支援として無料公開に踏み切った。緊急事態宣言は解除されたが、伊藤さんは「市民の外出自粛は夏か秋まで続くのでは」と予測、「コロナの収束が見えてくるまで限定動画の公開を続ける」としている。
「ライブラリ」のステイホーム特集は、数十分の中編動画を中心に配信。鶴見川に和船でこぎ出す歴史検証映像や、大倉山記念館の歩みを紹介する作品などが視聴できる。アクセスは港北区のホームページから。