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在日朝鮮人歌劇団が川崎で公演 「純愛」に南北統一重ね

話題 | 神奈川新聞 | 2018年10月1日(月) 02:00

民族芸術に彩られた春香伝のステージ =29日、カルッツかわさき
民族芸術に彩られた春香伝のステージ =29日、カルッツかわさき

 在日朝鮮人アーティストでつくる総合芸術団「金剛山歌劇団」による舞踊ミュージカル「春香伝」の公演が29日夜、川崎市川崎区のカルッツかわさきで行われた。豊かな芸術性に彩られた純愛物語に南北統一という「民族の悲願」が重なり、観客席を埋めた在日同胞や日本人からは称賛と共感の喝采が送られた。

 春香伝は18世紀の李氏朝鮮に伝わる代表的古典。同歌劇団がミュージカルにアレンジし、身分制度で禁じられた愛を貫く芸妓(げいぎ)と両班の姿を描く。試練を乗り越えて思いを成就させる大団円には、分断を強いられている民族の統一への願いも込められている。

 色鮮やかなチマ・チョゴリが繊細に舞い、荘厳な楽団の演奏、舞台美術が観客を魅了していく。クライマックスでは、南北首脳会談で金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と文在寅(ムンジェイン)韓国大統領が手を取り合うシーンがスクリーン映し出され、会場は大きな拍手に包まれた。

 前座では、地元の川崎朝鮮初級学校をはじめ県内の朝鮮学校の子どもたちがステージに立ち、部活動で励む吹奏楽や民族舞踊、合唱を披露。入場料収入の一部は、県の補助金打ち切りなど排除にさらされる朝鮮学校の支援のため寄付された。

 横浜市戸塚区から観覧に訪れた佐藤茂伸さんは「芸術性の高さだけでなく、南北統一という今日的なメッセージに感動した。在日の人たちの理解にもつながる舞台で、次の機会には孫たちを連れて来たい」と話していた。

 
 

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