
横浜市都筑区の港北ニュータウンは、公園や樹林などを緑道で結ぶ「グリーンマトリックスシステム」で、約90ヘクタールの緑を保存し、まちづくりに生かしている。また半径250メートル以内の住民が主に利用する街区公園の名前にも、面白い工夫がある。“○○町第3公園”などの町名と番号の連結ではなく、地区別に鳥や植物、昆虫(こんちゅう)などの統一テーマを設けて命名しているのだ。
石ケ谷(いしがや)バス停がある北山田地区の街区公園は「子どもの遊び」をテーマに名付けられ、各園には名前にちなんだ立体物も置かれている。記者がまず足を運んだ「しゃぼんだま公園」には、シンボルになっているしゃぼん玉を吹(ふ)く少年の像が立つ。

次に訪れた「じゃんけん公園」には、「チョキ」の水飲み場や「グー」のベンチがある。が、もう一つが見当たらない。未就園のわが子を遊ばせていた30代の2人の母に尋(たず)ねた。「パーはどこに…」。1人が笑顔で「そこです」と下を指した。なんと手型が足元に大きく描(えが)かれていた。遊び心いっぱいだ。「この先の『かくれんぼ公園』も楽しいですよ」と記者に勧(すす)めた。
母らは昨年転入し、区が毎月開催(かいさい)する「転勤妻のおしゃべりサロン」で知り合ったそう。「都筑は転入者への気配りも、公園もいい」と口をそろえた。
北山田の街区公園は完成から27年たつが、地元自治会が大切にし、小学生も手書きポスターできれいな利用を呼び掛(か)けるなど、新旧住民に親しまれていると感じさせた。
(小学校高学年向けに、難しい漢字にふりがなを振りました)
【2020年2月6日掲載】