平塚市は写真共有アプリ「インスタグラム」を活用したシティーセールスに力を入れている。スローガンとロゴマークを定め、本格的に街のアピールに乗り出した2016年に公式アカウントを開設、市民からの投稿は2万5千件に上っている。「インスタ映え」する撮影スポットを市が用意するなど、イメージアップを目指した戦略を着々と進めている。
地域の魅力発信に市民を巻き込もうと、市がインスタグラムを活用し始めたのは2年前。市のアカウントへの投稿とともにフォロワー(読者)も増え、現在約3300人いる。大都市である横浜市の約3万6千人、先駆的に活用を進めてきた葉山町の約2万2千人には及ばないものの、平塚市担当者は「周辺自治体では多い方」と胸を張る。
投稿数を増やそうと、市は工夫して撮影スポットもつくっている。
平塚出身の画家オノルイーゼさんの絵画を「湘南ベルマーレひらつかビーチパーク」の海岸や湘南平のベンチなどに描いたり、相模湾を一望できる湘南平では16年から景観をさらに良くしようと視界を遮る樹木の伐採を始めたり…。投稿の増加につながった。
一方、その活用方法が広がりを見せている。
投稿された写真の展示会を市内各所で開催。市役所多目的ホールでは今月20日まで、9回目となる展示会が行われている。
毎年恒例の「湘南ひらつか七夕まつり」をテーマにした写真27枚を紹介。短冊飾りを付ける女性や仲良く見物する親子など、夏の風物詩を楽しむ姿を市民の視点から垣間見られる。
このほか、市の広報誌などにもインスタグラムの投稿写真を掲載。市担当者は「業者に委託する写真とは違い、素人ならではの切り口と親しみやすさがある」と話し、「ファンを確実に増やして市民を巻き込んだPRを広げていきたい」と意気込んでいる。