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御家人から振り返る鎌倉幕府 金沢文庫で文化財100点

話題 | 神奈川新聞 | 2018年8月20日(月) 10:47

「安達藤九郎盛長坐像」などが展示された「安達一族と鎌倉幕府」展=県立金沢文庫
「安達藤九郎盛長坐像」などが展示された「安達一族と鎌倉幕府」展=県立金沢文庫

 横浜市金沢区の県立金沢文庫で、特別展「安達一族と鎌倉幕府」が開かれている。鎌倉に拠点を構え、鎌倉幕府を支えた有力御家人だった安達氏。鎌倉での真言密教の展開にも大きな役割を果たした一族を軸に、当時の政治と宗教の動向を見ることができる。19日には国宝の「北条顕時寄進状」について考察する講演会も行われた。

 安達氏は、始祖に当たる盛長が源頼朝の側近として活躍。4代目の泰盛は蒙古襲来のさなかに幕府の重役を務めるなど政治の中枢で権勢を振るったが、対抗勢力との対立が元で、1285年の「霜月騒動」で一族は滅亡した。

 会場では、「安達藤九郎盛長坐像」や、泰盛の姿も描かれている「蒙古襲来絵詞」(模本)など、約100点の貴重な文化財を展示。金沢文庫で保管している国宝「称名寺聖教・金沢文庫文書」による書状なども公開されている。


文庫長の湯山賢一さんによる特別講演も行われた=県立金沢文庫
文庫長の湯山賢一さんによる特別講演も行われた=県立金沢文庫

 粛清を受けたという背景から現存する資料は少なく、安達氏に焦点を当てた展示は例がないという。金沢文庫では「少ない資料をつなぎ合わせ、国宝などの中から一族の姿がおぼろげに見えてくる」と話す。

 19日の特別講演会では、金沢文庫長の湯山賢一さんが、霜月騒動に連座して失脚した金沢文庫の主、北条顕時の寄進状をテーマに解説。寄進状を中心にした文書の筆跡や、紙の分析などについての説明に、約100人の参加者が熱心に聞き入った。

 特別展は9月17日まで。月曜休館、600円。問い合わせは、金沢文庫電話045(701)9069。

 
 

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