太陽光発電による電気を実際に使い、自然エネルギーを身近に感じてもらう催しが18日、二宮町二宮のラディアン花の丘公園で開かれた。夏の日差しの中、ピクニック気分で訪れた親子連れが野外ライブに聞き入り、日が暮れた後は星空上映会を楽しんだ。
東日本大震災後に全国で広がった自然エネルギーを活用した地域再生の取り組み。福島第1原発事故で居住制限区域となった福島県飯舘村の電力会社などを取材したドキュメンタリー映画「おだやかな革命」(2017年、渡辺智史監督)を神奈川県内各地でリレー方式に自主上映していく取り組みの一環だ。小田原市内で自然エネルギー活用を進める市民団体や企業などが中心になって「あしがら西湘リレー上映実行委員会」を立ち上げた。
上映会は二宮町を含め、1市4町の計6カ所で行われる。その第1弾となった二宮町では映画だけではなく、気軽に自然エネルギーに興味を持ってもらおうと公園内で野外ライブなどのイベントを企画。音響に必要な電源は公園内に設置した2枚のソーラーパネルで発電、蓄電したもので全て賄った。
公園にキッチンカーの出店も並び、親子連れが飲み物を片手に芝生に腰掛け、流れる音楽に聞き入っていた。特設スクリーンによる上映会では約60人が原子力発電に頼らない社会の在り方を考えた。
実行委員会の小山田大和委員長(38)は「自然エネルギーに関心がない人にも裾野を広げたい」と意気込んだ。
◇
上映会は23日午前10時と午後2時から大磯町立図書館でも開かれる。前売り券は800円、当日券は千円で、ともに高校生以下は無料。前売り券はハルネ小田原街かど案内所などで販売している。