室町時代または江戸時代中期から受け継がれてきたとされる盆の行事「瓜生野(うりゅうの)百(ひゃく)八松明(はったい)」が14日夜、秦野市南矢名の瓜生野地区で行われた。闇夜の中、勇壮な炎の軌跡が描かれた。
五穀豊穣(ほうじょう)と悪疫退散を祈る伝統行事で、1975年に市の無形民俗文化財に指定されている。住民らでつくる保存会のメンバー約50人が、長さ2、3メートルの麦わらを直径約30センチに束ねてたいまつを作り、権現山(約244メートル)の山頂に運んだ。
日没後、法被姿の子どもたちを先頭に、火のついたたいまつを担ぎながら山を下り、麓にある龍法寺の門前で勢いよく振り回した。火の粉が飛び散り、路上の麦わらからも勢いよく炎が上がると、熱気と興奮は最高潮に達し、見物人から「回せ」「頑張れ」と声が掛けられた。見物人や写真愛好家はスマートフォンやカメラを構え、汗を流しながら炎を追った。近くの広場では江戸時代から伝わる盆踊りも行われた。