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桂歌丸さんの遺志継ぐ 地元横浜の商店街で弟子が寄席

話題 | 神奈川新聞 | 2018年8月12日(日) 15:55

「歌丸師匠をしのびながら、にぎやかな寄席にしたい」と話す桂歌助さん=横浜市南区の高橋薬局
「歌丸師匠をしのびながら、にぎやかな寄席にしたい」と話す桂歌助さん=横浜市南区の高橋薬局

 7月2日に慢性閉塞(へいそく)性肺疾患のため、81歳で他界した落語家の桂歌丸さん。生涯現役を貫いた師匠の自宅にほど近い横浜橋通商店街(横浜市南区)で26日、没後初めての「よこはまばし寄席」が開かれる。薬局店主の依頼を受けて歌丸一門が11年間、手作りの高座に上がってきた。粋な下町ならではの寄席を入場無料で続けることで、生粋の“ハマっ子”として生まれ育った地元を愛した希代の噺家(はなしか)の遺志を継ぐ覚悟だ。

 寄席を主催し、会場となるのは商店街のほぼ中央に位置する高橋薬局。「お客さんには笑いで元気になってもらいたい」と店主の高橋一成さん(67)が、かねて親交があり、同商店街の名誉顧問を務める歌丸さんに寄席の開催を相談したところ、歌丸一門として出演を快く引き受けてくれた。

 2007年6月17日から2カ月に1回、薬局が定休日の日曜日に合わせて開催。高橋さん家族や従業員らがビールケースや大きな板を運び入れて、即席の高座を設営している。

 歌丸さんは5年目の21回公演で1度だけ高座に上がり、古典落語の演目「火焔(かえん)太鼓」を披露した。「狭い店舗で聞く歌丸師匠の落語はすごい迫力だった」と高橋さん。春風亭昇太さん(58)がテレビ番組の収録で“飛び入り”出演したこともあった。寄席はこれまでに58回を数える。

 ほぼ毎回出演し、会場を盛り上げているのは2番弟子の桂歌助さん(55)=同市港南区。昨年6月の寄席からは歌助さんの落語教室の生徒2人も加わる。歌助さんは「師匠はいなくなったが、師匠が愛した街を私たちがこれからも盛り上げたい」と話す。

 歌助さんは今月26日の寄席で、歌丸さんとの思い出を語ることにしている。「師匠は弟子に厳しく、褒められたことは一度もない」。歌丸さんをみとった時は意識がなかったというが、その直前に見舞いに行った際に「初めて『ありがとう』と言ってくれた」。

 商店街の理事長も務める高橋さんは「歌丸師匠のおかげで商店街がにぎやかになった。歌助さんとのご縁を大切に、これからも寄席を続けていきたい」と意気込みを新たにする。

 他には歌丸一門の桂歌若(うたわか)さんが出演する。午後2時開演。席数は約30席。先着順で事前予約不要。歌助さんが7月15日に出版した著書「師匠 歌丸 背中を追い続けた32年」も販売する。

 
 

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