「農福連携」の旗振り役は、一般社団法人JA共済総合研究所(東京都千代田区)の主任研究員、濱田健司さん(49)だ。農業と福祉の現場が連携を強化するプラットフォームとして、昨年3月に設立された全国農福連携推進協議会の会長でもある。各地で展開される事業のキーワード「ノウフク」も自身で考案した。
10年ほど前に受けた、社会福祉法人の障害者の月額賃金(工賃)を上げてほしい、という相談がきっかけだった。「月1万2千円と聞き、1日の間違いではないかと耳を疑った」。その記憶はいまも鮮明だ。
下請け仕事の障害者の賃金はあまりに低く、自身の専門分野の農業は担い手不足に悩んでいた。両者をマッチングして、障害者が農業で月5万~10万円ぐらいは稼げるように…