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米ロスに中古楽器の物流拠点 横浜のGRACEが設立

話題 | 神奈川新聞 | 2018年7月30日(月) 10:41

米国に中古楽器販売の物流拠点を設立したGRACEの事務所。2012年の設立当初は3人だった社員は80人に=横浜市南区
米国に中古楽器販売の物流拠点を設立したGRACEの事務所。2012年の設立当初は3人だった社員は80人に=横浜市南区

 中古楽器の買い取り、販売を手掛けるGRACE(グレイス、横浜市南区)がこの春、楽器の聖地ともいわれる米国・ロサンゼルスに物流拠点を設立した。高度経済成長期の日本で製造されたエレキギターなどの楽器は、高品質で価格も手頃なため、米国にもファンが多いという。設立以来、現地での売り上げは順調に伸びており、沢村優太社長(34)は「いずれ米国に楽器を販売する実店舗を開設したい」と意気込んでいる。

 米国での中古楽器の販売は、同社が運営する中古品買い取りサイト「買取屋さんグループ」を通じて日本国内で買い取った商品を、現地の物流拠点に集積して行っている。拠点は、日本の貿易会社の倉庫の一角を間借りし、社員1人が常駐している。

 販路は、駐在員がこれまでに開拓した7店舗ほどの現地楽器店での委託販売や、インターネットのオークションサイトなど。現在、米国での売り上げは1カ月に200万円ほどで、「売り上げは順調に増えている。楽器を送れば送るだけ売り上げは上がるので、どんどん送っている状態」と沢村社長。現地店舗の開設に向けても、社員の教育などを進めているという。

 同社は、沢村社長がかつて勤めた横浜市内のホームページ制作会社時代の同僚らと2012年11月に設立。中古楽器の売買のほか、ウェブマーケティング事業や自動車修理工場の運営コンサルティングなど、幅広く手掛ける。

 沢村社長は、ホームページ制作会社を退社後、「参入障壁が低かった」という中古品の売買をインターネットなどを使って始めた。そのうち楽器は商品が小さくても高価格で売れ、商売として効率が良いことが分かったという。自身も10代からベースに親しんできたこともあり、中古楽器に力を入れることにした。さらに、競合が増える中で事業を成長させるため、法人化したという。

 設立当初、中古楽器の1カ月の売り上げは100~200万円だったが、現在はおよそ8千万円に成長した。国内外のメーカーの商品を扱うが、米国向けは1960~80年代に日本で製造されたエレキギターやシンセサイザー、ターンテーブルが中心だ。「日本の高度経済成長期は、壊れるように作って大量消費を目指すという時代ではなく、楽器もしっかりと作られており高品質」と、沢村社長は説明する。

 海外進出の準備に当たっては、およそ3年前に海外のオークションサイトへの出品を始めた。オーストラリア、香港などにも販売したが、米国が圧倒的に多かったという。そこで、横浜企業経営支援財団(IDEC横浜)の海外進出支援事業で現地でマーケティングを行い、拠点設立に至った。

 沢村社長は「米国市場に参入できたことで、今後、より大きなチャンスに巡り合える可能性が高いと思う」とし、今後もさまざまなビジネスチャンスを探っていくという。「商売を抜きにして、社会問題の解決を常にやっていきたい。例えば都市鉱山などの課題に、自分たちのお金を使って商売の路線まで乗せていければ」

 
 

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