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全国の伝統芸能披露 川崎拠点に活動の少年和太鼓集団40周年

話題 | 神奈川新聞 | 2018年7月27日(金) 10:50

代表の山本忠利さんとともに、和太鼓演奏の稽古に励む「平間わんぱく少年団」の子どもたち=川崎市中原区
代表の山本忠利さんとともに、和太鼓演奏の稽古に励む「平間わんぱく少年団」の子どもたち=川崎市中原区

 川崎市中原区平間を拠点に活動する和太鼓集団「平間わんぱく少年団」が今年、創立40周年を迎えた。8月4日には同区のエポック中原ホールで、日本各地の祭りを忠実に再現し、和太鼓などの伝統芸能を披露する公演を行う。OB、OGでつくる「和太鼓祭音(まつりね)」も加わり、総勢約90人が出演を予定。漫画「はだしのゲン」の合唱劇にも取り組む。酷暑に負けず、メンバーは稽古に励んでいる。

 日曜夜、同区の市立平間中の格技館に、沖縄の盆踊りエイサーを軽快に踊る子どもや大人の姿があった。エイサーに続き、青森県の荒馬踊りの衣装に着替えた親子らが登場。さらに新潟県の新崎樽ばやしを若者たちがリズミカルなばちさばきで奏で始めた。

 少年団は現在、小学生約40人で構成。そのルーツは、平間子ども文化センターにあった学童保育に通っていた子どもと保護者の活動だった。発足メンバーの一人で、現在代表を務める山本忠利さん(78)は「今のように塾に通う子どもは多くなく、子どもたちに学校では体験できないことを経験してもらおうと、おやじたちが奮起した」と当時を振り返る。

 現在のメンバーは、少年団と祭音を合わせ90人ほど。OBの中には滋賀県から加わっている人もいる。稽古を見つめながら山本さんは「小学生から70代までが一緒に取り組んでいる。目標とする先輩が目の前にいるのが、子どもたちにとってもいい」と話す。

 40周年記念公演では、千葉の銚子跳ね太鼓や岐阜の中山太鼓など、太鼓の持ち方も担ぎ方もさまざまな10演目を披露する予定。メンバーは全国各地の和太鼓、民舞の保存会に直接出向いて、教えを受けてもいる。山本さんは「伝統芸能を継承する上で教わる方には覚悟が必要。現地の伝統をしっかりと受け継ぎたい」と力を込める。

 和太鼓だけではない。公演では、広島での被爆体験を描いた故中沢啓治さんの自伝的漫画「はだしのゲン」を合唱構成にした劇も上演する。山本さんはかつて所属した川崎のアマチュア劇団「京浜協同劇団」で和太鼓を演奏していた。同劇団が全国で初めて芝居化した「はだしのゲン」の脚本も担当した経験がある。

 今回の公演では「はだしのゲン」を読んだ子どもたちの感想文と合唱を組み合わせて劇に仕上げ、披露する。「日本は戦争をしていたことがあったんだ」「戦ったのは米国だったんだね」。そんな子どもたちの感想文に触れ、敗戦から70年余りを経て戦争の記憶を継承する難しさを改めてかみしめた。そんな思いも伝える舞台にするつもりだ。

 「少年団は、関わった人にとって、いつまでも地域の居場所であり続ける。伝統芸能に真剣に取り組む姿をぜひ見てほしい」。山本さんはそう来場を呼び掛けている。公演は午後2時から。入場料千円。問い合わせは山本さん電話044(533)7470、または090(9677)2205。

 
 

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