他にはない神奈川のニュースを!神奈川新聞 カナロコ

  1. ホーム
  2. ニュース
  3. 話題
  4. “親子和太鼓”共演評判 川崎市麻生区で地域盛り上げ

“親子和太鼓”共演評判 川崎市麻生区で地域盛り上げ

話題 | 神奈川新聞 | 2018年7月22日(日) 20:03

「じゅげむ」の締太鼓演奏(後列)に合わせ、りりしく長胴太鼓をたたく「鼓打舞」の子ら=東京都稲城市の公共施設
「じゅげむ」の締太鼓演奏(後列)に合わせ、りりしく長胴太鼓をたたく「鼓打舞」の子ら=東京都稲城市の公共施設

 街に響け、母と子の太鼓-。川崎市麻生区を中心に活動する二つの和太鼓団体「じゅげむ」と「鼓打舞(こだま)」の共演が評判だ。地元の夏祭りや秋の催しなどで今年後半は大忙しになりそう。母親でつくる「じゅげむ」と、その子どもたちが所属する「鼓打舞」。競い合い、助け合いながら地域の盛り上げに一役買っている。

 「じゅげむ」は2002年、区内の幼稚園の母親らが卒園謝恩会の余興で当時流行した「ロックソーラン」を踊ったのが結成の端緒となった。踊りを教わった「和太鼓打楽音(だらくね)」代表の玉田菅雄さん(69)から「和太鼓も始めてみては」と勧められ、数人の有志でスタートした。指導は玉田さんから息子の耕太郎さん(34)に引き継がれ、月2回の稽古を続けてきた。伝統的な秩父屋台囃子(ばやし)や創作曲にも挑み、実力を蓄えた。

 子育てや家事と和太鼓の両立に関し、じゅげむの金子朋子代表(43)は「PTA活動や学校行事と重ならない金曜午前を稽古に充てて両立させた」と話す。太鼓に熱中することで気分転換もできたという。稽古は当初、麻生区内で行っていたが、音への配慮から今は東京都稲城市の公共施設の防音室を借りている。団員は入れ替わりも経て13人に増えた。

 一方で「鼓打舞」の誕生は07年。太鼓をたたく母を見て「自分もやりたい」と望む子どもが次々に現れた。「じゅげむ」に加わることも考えられたが、母親らの稽古が難しくなるため別団体を設立。指導はじゅげむ同様、玉田さん親子が当たった。現在は小学生10人が月2回、土曜に稲城市で稽古に励んでいる。

 両団体は今後、7、8月が地元の夏祭り、9月が東京の「江戸やっこまつり」、10月があさお区民まつりの出演と引っ張りだこで、合同稽古に余念がない。

 金子代表は、じゅげむの活動で「他団体はもとより、麻生での地域交流が深まった」とし、「鼓打舞」については「息子がうまく演奏できず、悔し泣きするのを初めて見た。地域の演奏では、子どもたちの勇姿に同級生が『学校にいるときと全然違う』と驚き、太鼓仲間に加わる」と話す。

 両団体でそれぞれ活動する土井美津紀さん(42)と、小学3年の瑠璃香(るりか)さん(8)親子にとって、今夏の共演は特別だ。今年入団した瑠璃香さんは「稽古は大変だけど、学校も学年も性別も違う仲間が増えてうれしい」。美津紀さんは「6月に亡くなった祖父に、娘が太鼓をたたく姿を見せられなかったのが心残り」と話し、麻生の人々に加え、亡くなった家族にも太鼓の演奏をささげようと意気込んでいる。

 師匠の玉田さんは「子どもたちの腕前も上達し、和太鼓の魅力を伝えながら地域の絆を強めていってほしい」とエールを送る。両団体への問い合わせは、メールでじゅげむの金子代表(t.osaru@ezweb.ne.jp)。


稽古に励む母と子ら
稽古に励む母と子ら

和太鼓に関するその他のニュース

話題に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング