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15日、指揮者武田さん勇退
恩師に感謝の歌  横須賀で少年少女合唱団20周年公演

話題 | 神奈川新聞 | 2018年7月13日(金) 15:58

15日の記念コンサートに向け、練習に励む「横須賀少年少女合唱団」の子どもたち
15日の記念コンサートに向け、練習に励む「横須賀少年少女合唱団」の子どもたち

 横須賀芸術劇場(横須賀市本町)専属の少年少女合唱団がことし、結団20周年を迎えた。その節目の年に、創立当初から団を率いてきた指揮者・武田雅博さん(64)が勇退する。15日に開かれる記念コンサートが最後の舞台。厳しくも優しい武田さんへの感謝の気持ちも込め、子どもたちが恩師のラストステージに歌声を響かせる。

 「『自分はこう歌うんだ』という意思がないと駄目だ。音に心がなければ、ただの音波に過ぎない」

 コンサートを10日後に控えた5日夜。リハーサル室に武田さんの声が響いた。

 「横須賀芸術劇場少年少女合唱団」は、1998年3月に誕生した。地元の子どもたちが実際に芸術に触れる機会をつくろうと、同劇場が結団。武田さんに指揮者就任を依頼した。

 初めてのコンサートを、武田さんは今でもよく覚えているという。「技術的にはまだ足りないところもあったが、いいスタートになった」。64人から始まった団は20年を経て、約160人を数える大所帯に。「でも、一生懸命に音楽に取り組む子どもたちの姿は、何も変わらない」。武田さんは目を細める。

 教え子にとって、武田さんは合唱の指導者にとどまらない。現役もOBも「音楽表現だけでなく、あいさつや言葉遣いといった礼儀、他人とのコミュニケーションの取り方まで教わった」と口をそろえる。アルトパートを担当する高校3年の幸喜(こうき)衿佳(えりか)さん(18)は「感受性や人生を豊かにすることの大切さを教えてくれた」と感謝。OBとしてコンサートに参加する和田祐樹さん(27)は武田さんの持つ世界観に魅せられ、厳しい指導に必死に食らい付いてきた。「音楽高校に進学することを伝えた時、あの怖かった先生がめちゃくちゃ笑顔になったのが忘れられない」と笑い、「先生との最後の演奏会。気持ちを込めて歌いたい」と意気込む。
 


「最後の公演も、いつもと同じようにやりたい」と語る武田さん=5日夜、横須賀市本町
「最後の公演も、いつもと同じようにやりたい」と語る武田さん=5日夜、横須賀市本町

15日の本番に向け、武田さんは、東日本大震災をきっかけに鎮魂と再生への祈りを込めて作られた合唱曲「夜明けから日暮れまで」など、12曲を選んだ。「歌を通して社会に何かを伝えられると知ってほしい」。武田さんが常々、子どもたちに伝え、これからも覚えていてほしい思いでもある。

 記念コンサートは午後3時開演。小中学生、高校生は千円で、大学生以上は1800円。チケットの申し込みは、同劇場電話予約センター☎046(823)9999。

 
 

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