訪日外国人客(インバウンド)の誘致に力を入れている横浜駅西口の周辺地区で27日、ツアー客を招いた防災体験プログラムが行われた。米国の高校生ら約40人が横浜市民防災センター(神奈川区)で揺れの恐ろしさを体感し、救命措置なども学んだ。
主催した「横浜西口エリアマネジメント」は外国人客に横浜へ足を延ばしてもらおうと、3月から西口の商業施設などで体験ツアーを展開。他地域にはない特色をアピールしようと、駅に近い同センターの協力を得て、防災体験を初めて組み込んだ。
訪れた一行はまず、東日本大震災などの揺れを再現した地震シミュレーターを体験。関東大震災で廃虚と化した横浜の街並みがスクリーンに映し出され、震度7で足元が大きく揺れると、声を上げて驚いていた。
自動体外式除細動器(AED)の使い方や心肺蘇生法の要点も学び、屋外では消火作業の手ほどきを受けた。女子生徒の1人は「地震は体験したことがない。とてもいい施設だと思う」と熱心に取り組んでいた。
東京五輪・パラリンピックなどで外国人客の増加が見込まれることから、エリアマネジメントの担当者は「こうした体験の機会を増やし、身を守る大切さも呼び掛けていきたい」と話した。