
バス終点の「市が尾駅」(横浜市青葉区市ケ尾町)の西口周辺は、いつも清潔で気分がいい。地域の人が美化活動をしているようだ。連載(れんさい)の終盤(しゅうばん)、駅近くで黄緑色のベストを着て歩く人たちを見掛(みか)け、もしやと思い声を掛けた。どんな活動をするのですか、と。一人の男性が答えた。
「駅前の花壇(かだん)の手入れや、公園の清掃をしています」
男性は市内で唯一(ゆいいつ)の、若年性認知症(にんちしょう)の人を対象にしたデイサービス施設「トポス和果(わか)」(同町)を運営する作業療法士の山崎健一さん(34)。事業所スタッフとメンバー(通所者)が毎週月曜から土曜までの午後1時半すぎから、区の「フラワーネックレス青葉」事業の取り組みとして同駅西口の花壇の手入れを行い、市の「ハマロードサポーター」として近隣(きんりん)の公園や道の清掃をしているという。休むのは日曜と雨の日だけだ。
「メンバーに社会参加している自信を持ってもらい、地域の人から『ご苦労さん』『ありがとう』と声を掛けてもらうことで、自分にもまだまだできることがある、と自尊心を取り戻してもらうきっかけになります」と山崎さん。街の美化活動の後はお茶菓子などを買いに行き、高齢者宅にお弁当を届ける有償(ゆうしょう)ボランティアも行っている。
駅西口の花壇には、昨年秋に区の土木事務所から提供されて植えたパンジーやビオラが今も咲いている。山崎さんは「メンバーの方々の手入れのおかげ」。60代の女性は「人に見える場所で花を育て、皆さんに喜んでもらえてうれしい」。記者からも、街の美化に感謝します。
第1シリーズは今回で終了。次回からは「市が尾駅」発で、同区の「鉄町」へ向かう路線を紹介します。
(小学校高学年向けに、難しい漢字にふりがなを振りました)
【2018年4月5日掲載】
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