
相模原市緑区青山の竹林に珍しいツチアケビの花が咲いているのを、近くに住む映像制作業、門倉敏明さん(85)が見つけた。ランの一種で、緑色の葉を持たず、全体が茶色っぽい黄色。直径1~2センチ程度の黄色い花を多数付けている。
門倉さんが12日、タケノコ取りと、有害鳥獣駆除で仕掛けたイノシシわなの見回りで竹林を歩いていたところ、高さ60~70センチほどのツチアケビ3本が花を付けているのに気づいた。門倉さんは県立歴史博物館民俗資料収集協力員を務めており、地域情報に詳しいが「ツチアケビを見たのは、今回も含めてたった3回。地元の人でも知らない人が多い」という。
1度目は30年ほど前に赤い実を付けていたのを見つけ、2度目の14~15年前は花を見た。「いずれも山林内の湿った所だが、場所はばらばら。どこに生えてくるのか分からないのが不思議」と話す。
日比谷花壇大船フラワーセンター(鎌倉市)の木原吉郎植物管理マネージャーによると、ツチアケビはランの一種で自らは光合成をしない。植物園などに移植しても育たないため、一般には目にすることが極めて少ないという。