星槎(せいさ)大(箱根町)の呼び掛けで、人生100歳時代における生き方や地域コミュニティーの在り方を考える同大関係者や住民らによる組織が誕生した。100歳まで生きることが当たり前になりつつある社会で、誰もが参画できる共同体のモデルづくりを、まずは箱根で進めて県西地域に広めていく試みだ。
設立された組織は「星槎はこね住民学会」。2017年度に同大が県に政策提案し、採択された「星槎大学100歳プロジェクト」の一環で、町民や同大と町の関係者ら38人でスタートした。
5月29日に同町仙石原の同大箱根キャンパスで設立総会があり、同大の学長が「よい人生を送るために自分が何をすればよいか。一緒にいろいろ試して、箱根から発信していきたい」とあいさつ。学会会長には箱根温泉旅館ホテル協同組合事務局長が就任した。
学者だけでなく、生活者も加わった「学会」とは別に、多世代が教え合い、学び合う場として「はこね100歳ライフデザインカレッジ」を実施。カレッジでの学びの成果を学会で発表し検証していく。
総会の前後に学会員以外も対象にした特別講演と情報交換会も行われ、約80人が参加。東大教育学部の教授による講演「100歳時代の人生の設計図」では、少子高齢化や人口減を悲観論でなく「子どもが死なない、良い社会」と捉える視点などが紹介された。
プロジェクトは県と星槎大が主催。カレッジ初回は6月30日の社会課題探求講座。カレッジ、学会とも運営実績を踏まえ、2020年以降にNPO法人化を目指す。
問い合わせは100歳プロジェクト事務局電話0460(83)8202。