カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の横浜市内への誘致に反対するシンポジウムが9日、同市中区の波止場会館で開かれた。登壇した弁護士らは国会審議中のIR整備法案を「世界最高水準のカジノ規制となっていない」などと疑問視。候補地の一つとされる山下ふ頭を「市民の憩いの場」として整備することなどを求める声明を採択した。
誘致反対の署名活動などを行っている市民団体「カジノ誘致反対横浜連絡会」の主催。横浜市はIR誘致の是非を「白紙」としている。
法案について神奈川県弁護士会の松岡泰樹弁護士は、入場回数制限などの規制や反社会的勢力の排除策の実効性を疑問視。さらに法成立後に詳細を定める規則もあり「重要なところが現段階では具体的に分からない」と指摘した。
全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会の代表幹事を務める新里宏二弁護士も登壇。IR導入後に収益が伸びなかった場合、国や自治体への納付金率などが緩和される可能性を指摘し、「自治体がIRに頼り切って財政に寄与するようになると、原発と同じ状況になる。(納付金率などが)見直しになってもやらざるを得なくなってしまう」と懸念を示した。