
小田原北条氏の山城「津久井城」が築かれた県立津久井湖城山公園(相模原市緑区)のガイドブックがこのほど、2冊発刊された。歴史をひもとく「津久井城ものがたり」と豊かな自然を紹介する「自然のモザイクざくざく案内」。2冊を手に広い公園内を歩くと、地域の歴史と自然をたっぷりと味わうことができる。
県立津久井湖城山公園は、標高375メートルの城山を中心に津久井湖畔に整備されている。「津久井城ものがたり」(92ページ、600円)では、築城から公園が整備されるまでの歴史やかつての城の姿を見取り図などで紹介している。近年の発掘成果や土器などの出土品も写真を交えて解説している。
「自然のモザイクざくざく案内」(57ページ、500円)にはウオーキングが楽しめるコースを掲載。ヤマツツジや、ミズキなどの草花のほか、オオタカやキビタキなどの野鳥、オオムラサキなどの昆虫が写真入りで紹介されている。いずれも公園内のパークセンター窓口で販売されている。
津久井城は自然の地形を利用した山城で、築城は鎌倉時代と伝わる。現在見ることができる遺構は戦国時代に整備されたものと考えられている。小田原北条氏に仕えた内藤氏が城主を務め、1590年の「小田原攻め」に伴い落城。廃城となり、江戸時代には周辺を統治するための陣屋が置かれた。1990年代から公園としての整備が進んだ。