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【バスストップ】 東急・市43系統、神奈中・中50系統(8)川和町 住宅街奥の駄菓子屋

話題 | 神奈川新聞 | 2018年5月19日(土) 02:00

昭和の雰囲気を色濃く残す駄菓子屋「よしや商店」 =横浜市都筑区
昭和の雰囲気を色濃く残す駄菓子屋「よしや商店」 =横浜市都筑区

 バス停から徒歩10分足らず。住宅街の奥まった所に「よしや商店」という駄菓子(だがし)屋がある。横浜市都筑区内にあり、一つ前のバス停からも同じくらいの距離(きょり)だが、地図上での分かりやすさから「川和町」で下車した。

 店を見つけ、引き戸を開けると一気に「昭和」の世界。酢イカ、当てくじ、裸(はだか)電球…。電話番号も分からなかったため、店に入ってから取材交渉(こうしょう)した。女性店主は困った表情で「実は3月で店をやめようかと思っていたの。もうじき80歳だし、お菓子の消費期限の管理も大変だし」。予想外の展開に、記者も困ってしまった。

 店主は1963年に夫と地方から現住所に移り、家を新築。店は数年後、勤め人の夫を助けるため、家計の足しにと開業。当初は雑貨店だったが、約30年前に駄菓子屋に転じたという。

 営業は平日の午後だけ。週末や祝日は、子どもの歓声が騒音に思われないよう店を閉じるそう。子どもが止める自転車も邪魔(じゃま)にならぬよう近くの駐車場の1枠(わく)を駐輪場として借りている。周りにとても気を配っている。

 話を聞いていると、小学生が来店。何を買おうか目を輝(かがや)かせている。小5の男児に好きな菓子を聞いてみた。「これがおいしいよ」と見せられたのは「じゃが塩バター」というチップスの袋。駄菓子も進化している。

 「子どもの会話を聞くと元気が出てね。昔来た子が親になって、わが子を連れてくることもあるの」と店主。「認知症(にんちしょう)になるのを心配して『店をやめないで』と言う子もいるから、もう少し続けてみようかしら…」

 店主も記者も、子どもに救われた。細く長く、店が続くことを願う。

次回は「下市ケ尾」
(小学校高学年向けに、難しい漢字にふりがなを振りました)
【2018年3月8日掲載】

 
 

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