若手バーテンダーの登竜門で19日に都内で開かれる「全国エリート・バーテンダー・カクテル・コンペティション」に、県勢としてバー・ノーブル(横浜市中区吉田町)の清水健士郎さん(25)が出場する。9月に開かれたアジア大会で3位となり、世界大会への切符をつかんだ実力派。「店で作る一杯のように、心を込めるだけ」と平常心で頂点に挑む。
清水さんは福岡県出身で、ノーブルでのバーテンダー歴は4年目。出品するオリジナルカクテルは、フランス語で木陰を意味する「オンブラージュ」と名付けた。ウオッカベースのショートカクテルで、バナナリキュールで鮮やかな緑色と、さっぱりとした味に仕上げた。
ミントと柑橘(かんきつ)の香りが爽やかで、常連客からは「バランスが良くて飲みやすい」「木陰のイメージにぴったり」と好評だ。
同コンペは日本バーテンダー協会(NBA)が主催し、全国の支部が選んだ28歳以下のバーテンダーを対象に開催。21回目の今年は世界で最も権威ある大会「IBAワールド・カクテル・チャンピオンシップ」が開かれている帝国ホテル(東京都千代田区)を会場に約70人が出場する。
ノーブルのオーナーは、2011年の同大会で総合優勝を果たした山田高史さん(40)。世界チャンピオンから直接指導を受けた清水さんは日本代表としてマレーシアで9月27日に行われたアジア大会「モナンカップ・アジアパシフィック」に出場し、3位に入賞。12月5日にフランス・パリで行われる世界大会に進むことが決まっている。
世界水準の技術に加え、バーテンダー仲間からは「国際大会を経験したことでさらに器が大きくなった」と高く評価され、今回のエリート・コンペ出場者のなかで最も注目される存在でもある。
コンペはカクテルの味や見た目はもちろんのこと、シェーカーを振ったりボトルを置いたりする所作の美しさ、決められた人数分を時間内にきちんと作る技術などが審査される。山田さんから「店で提供するカクテルを、ステージの上で同じように作ればいい」とアドバイスを受けた清水さん。「お客さまの応援が励みになる。普段と同じ最高のカクテルを作りたい」と笑顔を見せた。