箱根の名所と芦ノ湖を周遊する新たなアトラクションとして、西武グループの伊豆箱根鉄道と伊豆箱根バス(ともに静岡県三島市)は27日、水陸両用バスの定期運行を開始した。忍者の道具から発想を得て装飾されたバスには、女忍者「くノ一」に扮(ふん)した女性の観光ガイドも登場。芦ノ湖観光では初の取り組みで、増加する外国人旅行者らの取り込みを狙う。
「NINJABUS WATER SPIDER」(ニンジャバス・ウオーター・スパイダー)と名付けられたバスは、最大定員43人。足に装着すると水上をすいすいと移動できる忍者の道具の一つ「水蜘蛛(ぐも)」をイメージしデザイン、黒色の塗装が施されている。
箱根町内の2カ所から1日各3便計6便を運行。1周約10キロで、約45分(陸路約30分、湖上約15分)かけて周遊する。陸路では箱根神社や湖畔などを巡り、湖面からは雄大な景色や開放感などが満喫できる。20年東京五輪・パラリンピックに向けて増加が見込まれる外国人旅行者のほか、家族連れをターゲットとし、年間で3万5千人の利用を目指す。
箱根や小田原地域は、風魔忍者ゆかりの地とされ、観光ガイドは忍者の歴史や掟(おきて)などを解説する。同日のセレモニーで伊豆箱根鉄道の伍堂文康社長は「水面を移動する忍術を追体験してもらえたら」とあいさつした。
セレモニーには園児ら約80人らも招かれ、バスの試乗会も。水しぶきを上げながら勢いよく湖に入ると大歓声が上がっていた。
乗車は中学生以上2800円など。予約・問い合わせは、伊豆箱根バス箱根営業所電話0460(86)2048。