1. ホーム
  2. ニュース
  3. 話題
  4. カリフォルニア・ゼファーに乗る(中)西部の荒野を貫く

鉄道コラム 前照灯(287)
カリフォルニア・ゼファーに乗る(中)西部の荒野を貫く

話題 | 神奈川新聞 | 2018年4月25日(水) 12:00


  目が覚めたら列車は止まっている。腕時計では午前2時すぎ。どこかの駅らしいが分からない。いくら車窓をめでるといっても夜は暗く、寝るほかないのが残念である。だが夜汽車はそうした心残りが生じるところもいい。


固い地盤だけが風雨に削られず台形状に残る、テーブルマウンテンのような高みがあちこちに。砦みたいな頂をとどめた面白い形もあった
固い地盤だけが風雨に削られず台形状に残る、テーブルマウンテンのような高みがあちこちに。砦みたいな頂をとどめた面白い形もあった

 オムレツの朝食。外はコロラド川支流のグリーンリバーあたり。なるほど、それらしい色合いだ。そろそろユタ州も過ぎる。車中で山岳部時間に合わせ1時間足すのを忘れていた。してみると、あの未明の、ひとときの目覚めは午前3時すぎに当たる。駅かと思ったのはソルトレイクシティであったか。


グランドジャンクションで30分ほど停車。その間に駅ホームに降り、駅頭を歩いてみる。歴史ある駅舎らしいが、小さな売店があるばかり
グランドジャンクションで30分ほど停車。その間に駅ホームに降り、駅頭を歩いてみる。歴史ある駅舎らしいが、小さな売店があるばかり

 景色はどんどん変わる。西部劇に出てきそうな乾いた荒野。大地はそそり立ち、のたうち、崩れかかろうとする。それが谷に入ると、草木が息を吹き返し、浸食の崖が迫る。左右どちらの車窓に専念すべきか。大陸横断の道程なのに沿線ガイドの地図が見当たらないのも不思議だ。

 景色はそしてどんどん凄くなる。コロラド州に入ってグランドジャンクションで小休止。これからは、グランドキャニオンの奇観を下流域で形づくるコロラド本流に導かれる。目指すはロッキー山脈越えである。谷は狭く険しく、2000メートルを超える標高に。列車もきわどい崖地や割れ目を悠揚迫らぬ足取りで行く。


沿線にのしかかるような岩山があとからあとから。黒ずんだものやら赤茶けたものやら。岩が崩れ落ちて列車を直撃しないかと心配になる
沿線にのしかかるような岩山があとからあとから。黒ずんだものやら赤茶けたものやら。岩が崩れ落ちて列車を直撃しないかと心配になる

 私たちをその懐に抱きながらロッキーは青い遠景を広げる。富士山よりも高い頂が700峰ひしめくという。足元の流れは雪かぶりから凍結に。列車は身をくねらせ、くねらせ。こんな難所に、よくぞ鉄路を敷いた。(F)


ロッキー山脈の遠景を望みつつコロラド川をさかのぼる。流れは思ったほど荒くれではなく、むしろ穏やかに映った。釣り人の姿もあった
ロッキー山脈の遠景を望みつつコロラド川をさかのぼる。流れは思ったほど荒くれではなく、むしろ穏やかに映った。釣り人の姿もあった

コロラド川の蛇行に沿いながらロッキーに分け入り、列車は標高を上げていく。線路わきまで浸食が進んだ個所もあって、結構スリリング
コロラド川の蛇行に沿いながらロッキーに分け入り、列車は標高を上げていく。線路わきまで浸食が進んだ個所もあって、結構スリリング

残雪の峡谷を行く。向こう岸に帯みたいに見える、白く細い横線は、どうやら崖地を這う小道のようだ。誰がこんなところを歩くのだろう
残雪の峡谷を行く。向こう岸に帯みたいに見える、白く細い横線は、どうやら崖地を這う小道のようだ。誰がこんなところを歩くのだろう

前照灯に関するその他のニュース

話題に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング