平塚市四之宮に伝わる信仰と伝統文化を紹介する市博物館(同市浅間町)の春季特別展「四之宮前鳥(さきとり)神社 その神輿(みこし)と地域の信仰」が、同館特別展示室で開かれている。前鳥神社との共催。同神社が所有する古文書や写真とともに名人の手による神輿を間近で見ることができ、愛好家の関心を集めている。
同神社は、平安期の延喜式神名帳にも記載された古社。会場中央に展示された大神輿は「関東一の堂宮大工」とうたわれた手中(てなか)明王太郎景元(かげもと)が幕末の1861年に建造、その後3度の改修を重ねた。
鳳凰(ほうおう)を囲むように屋根に4匹の竜を配すなど細部に独自の意匠・技巧が凝らされている。来場者は「祭礼時はじっくり見るのがはばかられるが、こういう機会があるのはいいね」と話していた。
5月5日の国府祭(こうのまち)で担がれる小ぶりで白木の「御霊(みたま)神輿」も展示。今年は特別に大神輿も参加するため、2基の展示は4月14日まで。境内社である八坂神社の神輿との入れ替え作業が15日に行われる。
同展は5月6日まで。4月30日を除く月曜休館。入場無料。関連行事として、22日午前に相模人形芝居前鳥座の公演、午後には神社の保存会による前鳥囃子(はやし)と里神楽の公演、28日午後には神輿についての対談企画も。問い合わせは電話0463(33)5111。