明治期に日本の船会社として初めて横浜-米サンフランシスコ間を運航した「東洋汽船」が乗客向けに配布した絵はがきが、横浜港大さん橋国際客船ターミナル(横浜市中区)の常設コーナーで展示されている。入場無料。
船会社が作成した絵はがきを収集している笠原喜保さん(70)=川崎市宮前区=が、華麗な船内の様子や日本文化を描いた40枚を選んだ。
これまで日本郵船、大阪商船(商船三井の前身)の絵はがきを展示してきた笠原さんは「外国船と豪華さを競い合っただけに、東洋汽船の絵はがきは一段と華やか」と話している。
同社は「京浜工業地帯の父」と呼ばれた実業家・浅野総一郎が1896年に設立。日本初の1万トン級の大型客船を建造するなど、三大船会社の一つとして日本経済の発展に貢献した。
第1次世界大戦後の不況や関東大震災などで資金繰りが悪化、設立から30年後に客船部門は日本郵船に合併された。
問い合わせは、大さん橋総合案内電話045(211)2304。