二宮町二宮の町立二宮中学校で26日、ドローンと人工知能(AI)を使った人命救助の体験授業が行われた。3年生116人が、ドローン開発会社「ロックガレッジ」(茨城県古河市、岩倉大輔社長)が開発した人命捜索システムを用いて山岳遭難者を“捜索”。先進技術の有効活用策に理解を深めた。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託で同社が開発したシステムは、ドローンから送られる映像や位置情報を基にAIが人影を発見して捜索関係者と情報を共有する。「アノテーション」と呼ばれる注釈付けを不特定多数の人がすることでAIが学習し、より映像の解析精度が高くなる。現在、実用化を目指して広島県内で試験導入しているという。
この日の授業では、生徒の一部がドローンを操縦した後、10人前後のグループに分かれてタブレットを使ったアノテーションを体験した。吾妻山でドローンが撮影した空撮画像を見ながら、遭難者に見立てた人物の候補について「明らかに人」「人のように見える」「人のように見えない」「明らかに人でない」の4段階で判断結果を入力。最終的により正確な捜索ができるようになった。
参加した村越悠希さん(15)は「機械に興味があるので楽しかった。岩倉社長が10代の時、自力でプログラミングに挑戦したという話も面白かった」と話していた。