他にはない神奈川のニュースを!神奈川新聞 カナロコ

  1. ホーム
  2. ニュース
  3. 話題
  4. さよなら俊足 京急の2000形、”同期”がねぎらう

さよなら俊足 京急の2000形、”同期”がねぎらう

話題 | 神奈川新聞 | 2018年3月22日(木) 02:00

引退が迫る2000形。スピード感ある姿がファンを引きつけた=京急蒲田駅
引退が迫る2000形。スピード感ある姿がファンを引きつけた=京急蒲田駅

 俊足の赤い電車は、さっそうと走り去る。今月限りで退役する京浜急行電鉄の2000形は、同線で初めて時速120キロ運転を成し遂げた車両だ。前例のないダイヤを作成し、走行試験を繰り返して「速い京急」を実現した社員の一人は、自身の鉄道人生に重ねて花形車両をねぎらう。

 「“同い年”なんです」と相好を崩すのは、同社安全推進部の課長(59)。同形がデビューする半年ほど前の1982年7月、運転士に登用された。養成課程では「今度の新車は中速域から高速域への加速がいいぞ」と教わったという。並走する国鉄をぐんぐん追い抜く-。そんな光景を思い描いた。

 実際に運転してみると、その滑らかな走りに感心した。加速が良いためにハンドル操作の回数を減らすことができ、ガクンという衝撃が和らいだ。「乗り心地を向上したことが運転のプロとしての喜びでした」

 90年に本社に異動してからは、時速105キロだった快速特急の最高速度を120キロに引き上げるプロジェクトに携わった。車両のブレーキ強化や信号機、線路の改良などに約5年。終電後、実際に120キロで走る試験運転には「緊張した」。そうやって2000形のひのき舞台を整えた。

 「私も来年3月には定年なんです」と話す課長にとって、堂々とした走りを見せた“同期”の記憶は色あせない。「好きでしたね。スーッと伸びるように加速するんですよ」

 
 

京急電鉄(企業)に関するその他のニュース

話題に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング