川崎市宮前区の都市農業を中心としたまちづくりを探る「農フォーラム」が11日、同区役所で開かれた。約100人が参加し、首都圏のベッドタウン住民と昔ながらの農家が共存する“最先端の現場”で、生産者と消費者が結びつく知恵が議論された。
地元農家と消費者、農業体験施設、障害者とボランティアが農作業を行う福祉施設の関係者、農業政策の専門家らが事例発表やパネルディスカッションで意見を交わした。
基調講演をした農林水産省農産安全管理課審査官の高島賢さんは「農家が消費者にファンをつくることが大切」と強調。同区平でイチゴや野菜を栽培し消費者との交流を進める「小泉農園」18代目の小泉博司さんは「農産物直売所が市内で最も多い宮前区で、消費者と互いにときめく関係を築きたい」と話した。
両者の絆をつくる重要性が語られ、農業体験施設を運営する西山雅也さんは「近所付き合いが始まるきっかけの場にしたい」、東急田園都市線鷺沼駅前などで地場野菜販売のマルシェを開催する辻麻里子さんは「地元に農家があることを知らない人に地場野菜の存在を伝えたい」と語った。