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中筋さん写真展・横浜青葉
【震災7年】原発事故、失った日常 福島とチェルノブイリ取材

話題 | 神奈川新聞 | 2018年3月11日(日) 11:18

福島とチェルノブイリの撮影を続ける中筋さん。会場には約40点が並ぶ=横浜市青葉区のスペースナナ
福島とチェルノブイリの撮影を続ける中筋さん。会場には約40点が並ぶ=横浜市青葉区のスペースナナ

 原子力発電所事故の起きたチェルノブイリと福島の取材を続ける写真家中筋純さん(51)の写真展が、横浜市青葉区のコミュニティーカフェ「スペースナナ」で開かれている。「時間をかけて追わないと、あぶり出せないものがある」と中筋さん。人けのないチェルノブイリの「今」や、事故後に定点観測した福島の町並みなど約40点を展示している。

 和歌山県出身。出版社勤務を経て独立した。廃虚や産業遺構の写真を多く手掛け、2007年に初めてチェルノブイリの取材へ。事故から20年以上経過してもなお、「ゴーストタウン」(中筋さん)が広がる光景に衝撃を受けた。

 作品集「廃虚チェルノブイリ」などを出版し、写真展開催を翌月に控えた11年3月、東日本大震災が発生。東京電力福島第1原発事故の起きた福島県に何度も訪れてきた。

 写真展のタイトルは「流転・福島とチェルノブイリ」。無人となり、木が伸び放題のウクライナ北部プリピャチの原発従業員向け集合住宅の周辺、シャッターが閉まったままのJR常磐線大野駅(大熊町)前の商店街の様子などをパノラマ写真で紹介する。

 放射性廃棄物の入った黒い「フレコンバッグ」の仮置き場とされ、その後、別の場所に移動したため、野球ができる本来の姿に戻った野球場(富岡町)を定点観測で追い続けた作品や、プリピャチの保育園で捨てられたままの子どもの上履きの写真などもある。

 中筋さんは「かつて原発の周囲には人々の営みがあり、事故によって一瞬でなくなってしまった。復興とは程遠いが、事故後の現実と向き合うとともに、関心を持ち続けることが大事」と話している。

 18日まで(月・火曜休み)。中筋さんによるギャラリートークは10日午後2時半~4時、参加費はお茶付きで千円。予約・問い合わせは、スペースナナ電話045(482)6717。

 
 

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