横浜の市街地を流れる川を使った秋恒例イベント「横浜運河パレード」(15日)を前に、身近な水辺環境を考える「運河シンポジウム」がこのほど、横浜市中区で開かれた。大岡川で活動する市民団体や水質検査に取り組む企業が参加し、市民ぐるみで水質浄化に取り組むことを提案した。
シンポジウムは、運河パレードを企画しているNPO法人「HamaBridge濱橋会」(荒井浩理事長)が初めて主催し、地域住民ら約40人が参加。四つの団体・企業が活動を紹介しつつ課題を提起した。
横浜SUP倶楽部(中区)の柿澤寛代表は、大岡川でスタンドアップパドルボード(SUP)を楽しむ中で川のごみの多さに気付き、河川や川岸の清掃を行う市民団体「横浜リバークリーン倶楽部」を仲間とともに立ち上げたことを紹介。浮遊ごみだけでなく、川底に沈む自転車の回収を行ったと報告した。
その上で「川のごみは行政が回収していない。観光都市として根本的な対応を」と訴えた。
柿澤代表らとともに同倶楽部を発足させたNPO法人「海の森・山の森事務局」(港北区)の豊田直之理事長は、環境や人体に悪影響を与えるプラスチックごみは、ほとんどが川から海へ流れていると指摘。「大人も子どもも参加して大岡川がきれいになっていく姿を発信すれば、全国の川の再生に向けた糸口になるはず」と語った。
市民講座「ヨコハマ海洋市民大学」は、水辺への理解を市民に呼び掛け続けることの重要性を報告。水質調査のオオスミ(瀬谷区)は大岡川や中村川の3カ所で定期的に水質分析を行い、結果を公開することにした。
濱橋会の小林直樹副理事長は「横浜の魅力は水辺にある。50年前は本当に汚かったが、力を合わせてきれいにすることで、多くの人が集まる場となってほしい」と期待。市民や行政、企業をはじめ、大人も子どもも参加して水質浄化に向けた取り組みを進めていくとした。
15日に運河パレード
「横浜運河パレード」が15日、横浜の市街地を流れる大岡川、中村川、堀川を巡って行われる。よこはま都心部水上交通実行委員会が主催し、今年で4回目。
パレードは、シーカヤックやスタンドアップパドルボード(SUP)、プレジャーボートなどが仮装や清掃活動、船上ライブを行いながら川を進む。午前11時半に日ノ出桟橋を出発し、蒔田公園、元町、日本丸メモリアルパークを回り、午後1時半ごろに日ノ出桟橋に戻る。川岸では多彩な出迎えイベントなどが催される。
詳しいスケジュールは、HamaBridge濱橋会公式ホームページ。