火山ガスの影響で部分的な開放にとどまっている箱根山・大涌谷(箱根町)を通る箱根ロープウェイ(小田原市)は28日、旅客運賃を値上げすると発表した。消費税増税に伴わない運賃変更は1992年以来で26年ぶり。増収分は火山ガスなど安全対策の強化に充てるとしている。
同社によると、実施は今年9月1日からで、平均値上げ率は6・7%。購入区間などで異なるが、大人の普通料金は50~140円値上げされる。
箱根ロープウェイは2015年に箱根山の火山活動活発化の影響で運休。16年7月に営業運転を再開する際、火山ガス計測器や救急箱をゴンドラ内に設置するなど安全対策を強化した。以降、対策費に年間数千万円かかっている。
18年度は、火山ガスが規制基準を上回った場合などに収容人数を増やすため、大涌谷駅舎内の待合スペースを拡張する工事に着手する予定。大涌谷の全面再開に向けて、今後も対策費がかさむのを見込み、今年1月に国土交通省関東運輸局に運賃変更を届け出ていたという。
同社は「安全輸送の確保とサービスの充実化を図りたい」としている。