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地産地消の拠点閉店へ 横須賀、売り上げ低迷

話題 | 神奈川新聞 | 2018年2月27日(火) 02:00

来年3月末での閉店が決まった大型直売所「よこすかポートマーケット」=横須賀市新港町
来年3月末での閉店が決まった大型直売所「よこすかポートマーケット」=横須賀市新港町

 三浦半島産の新鮮な農水産物などを扱う大型直売所「よこすかポートマーケット」(横須賀市新港町)が来年3月末で閉店することが26日、分かった。2013年3月にオープンしたが、運営する同市の全額出資法人「シティサポートよこすか」によると、近隣の大型スーパーに価格競争で勝てなかったことなどから、売り上げや客数が低迷。累積赤字は4億円以上に膨れ上がり、法人の経営を圧迫していた。

 ポートマーケットは京急線横須賀中央駅から徒歩約10分。冷凍倉庫を改装した約2千平方メートルの店内には、横須賀の海や山の幸をはじめ、パンや土産物、地元食材を使ったレストランなどを備える。市西部にあるJAよこすか葉山の農産物直売所「すかなごっそ」(同市長井)とともに、市が進める地産地消の「東の拠点」として多くの市民や観光客に親しまれてきた。

 しかし、80万人を見込んでいた初年度の客数は50万人とスタートからつまずいた。その後も減少が続き、昨年度は38万3千人と低迷。売り上げも初年度から目標額を3億円近くも下回った上、人件費などの経費が想定以上にかかり、毎年損失を計上。17年度も約7千万円と前年度と同程度の赤字を見込む。

 このため同法人は1月の臨時理事会で閉店を決定。同法人の奥山典和総務部長は「(体育館や公園などの管理運営の経験が多く)これまで店舗経営をしてこなかったのは確か。正直見込みの甘さはあった」と明かす。建物は法人、土地は市の所有物で、奥山総務部長は今後について「出店者には丁寧に説明する」とした上で、「店舗が閉鎖すれば撤去し、市に土地を返すというのが今の約束だが、閉店後の活用については具体的に決まっていない」と話す。

 同市の上地克明市長も26日の市議会本会議で「経営の経験がない中、当初の見込みが甘く大幅な累積赤字を抱え、閉店することになったのは大変残念」と強調。一方で「にぎわいづくりの場として大変重要であり、撤退後も土地のポテンシャルを生かし、集客や観光に資する新たな活用を考えたい」と述べた。

 市内の会社に勤め、月に数回は行くという主婦(48)は「旬の農産物が一度にそろうので閉店は残念。大型直売所は『すかなごっそ』だけになり、遠いので不便になる」と残念がった。

 店舗前にある市が所有する駐車場の一部には、市立2保育園を統合した上で、子育て支援機能も併せ持つ拠点施設「中央こども園」(仮称)を整備する方針が決まっている。

 
 

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