
厚木市の小田急本厚木駅南口地区再開発工事の起工式が26日、同地区で開かれた。駅前広場の拡充整備、店舗や住宅が入る再開発ビル(同市旭町)の建設が大きな柱で、2020年11月の完成を目指す。式典には主催者の「本厚木駅南口地区市街地再開発組合」の組合員をはじめ、地元自治会や市担当者ら約70人が参加し、工事の安全を祈願した。
再開発ビルは地上22階・地下2階建てで、高さが約85メートル。各階の構成は1階~3階が商業・業務(3階が医療系)、4~22階が住宅(165戸)、地下1階に市営駐輪場(約600台収容)を設ける。バスやタクシーが利用する駅前広場を拡充し、一般車向けのロータリーを再開発ビルに新設。一般車とバス・タクシーの乗り入れ場所を分けることで、市民が安全に乗り降りできるようにする。再開発ビル2階部分と直結する歩行者デッキも造る。
起工式は厳かな雰囲気で執り行われ、同組合の柳田光太郎理事長や小林常良市長らが、くわ入れをした。その後、市内ホテルで式典が開かれ、柳田理事長が「再開発ビルが完成すれば本厚木駅の新たなランドマークになる。周辺の住環境にも配慮しつつ、市民が誇れるようなにぎわいのある駅前をつくっていきたい」と語った。小林市長は計画が過去に中断した経緯も踏まえ、「ようやく(着工に)こぎ着けた。身が引き締まる思い」などと期待を込めた。

同地区の再開発は1996年に市が基本構想を策定。2005年に民間の権利者による準備組合が発足し大規模再開発ビルが計画されたが、北京五輪(08年)の影響で資材高騰などに直面し、事業化が事実上、中断した経緯があった。近年、景気や住宅需要の回復が進み、修正された計画案を14年に準備組合が合意。15年に市の都市計画決定を受けていた。