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奔走・高齢者の声が契機に
夢(むー)みん20年 団地の居場所づくり(上)

話題 | 神奈川新聞 | 2016年10月9日(日) 16:32

20周年を記念した「夢みんまつり」で合唱する女の子たち=横浜市戸塚区
20周年を記念した「夢みんまつり」で合唱する女の子たち=横浜市戸塚区

 「次は『Believe』を歌います」。緊張した表情で、合唱する小学校高学年の女の子たち。「家のピアノ以外で弾くのは初めて」と照れながら、「エデンの東」や「エリーゼのために」を演奏する87歳の女性…。曲が終わるごとに、大きな拍手が送られた。

 8月25日、横浜市戸塚区の大規模団地・ドリームハイツのすぐ近くにあるコミュニティーカフェ「夢(むー)みん」。設立20周年を記念した「まつり」の一環として音楽の日と銘打った催しが行われた。

 地域の子どもやお年寄りが次々に登場。以前はクリーニング店だったという70平方メートルほどの空間は、観客でいっぱいに。夢みんの目指す「多世代交流」が、そこにはあった。

 「大成功」。運営する「NPO法人いこいの家夢みん」の前理事長松本和子さん(74)は、目を細めた。「75歳を過ぎたら一般的には引退し(介護の)サービスを受ける側になる。しかし、ここではいくつになっても活躍できる。自分らしい生き方ができる居場所になれば、と思う」

切実な声を受け


 ハイツの一室を借り、夢みんがオープンしたのは1996年4月。「1人でさみしい」「ゆっくりおしゃべりできる場が欲しい」という団地のお年寄りの切実な声を受け、地域住民が準備に奔走。高齢者や体の不自由な人の談話室としてスタートした。松本さんは、開設当初から運営に携わる一人だ。

 利用者らで「支える会」を結成。「月1杯のコーヒー代」を呼び掛け、資金に充てた。コーヒーや手作りのお菓子を提供。本やソファ、電動マッサージ機など、住民から寄贈されたさまざまな物が部屋を彩った。開設3年目にもなると、囲碁将棋、手芸、はがき絵…と、曜日ごとのプログラムも充実していった。

 転機が訪れる。98年の特定非営利活動促進法(NPO法)の成立を受け、それまで任意団体だった夢みんはNPO法人となった。2000年、横浜市の通所型介護予防事業に名乗り出ると受託が決まる。

 市からの助成金を活用し高血圧や糖尿病予防、栄養などをテーマに各種講座を開催。「交流の場としての談話室」であることに変わりはなかったが、介護予防事業へと大きくかじを切った。

強まった責任感

 委託事業は06年度で終了したものの、「介護予防に必要なことは何か」「会としてどこまで受け入れ可能か」と日々、議論し手探りを続けるうちにいつしか、スタッフの中に、責任感が強まったという。

 現在の場所に移った14年からは多世代交流を柱に据え、囲碁やパソコン、コーラスなど多彩なプログラムを展開、「キッズデー」も設ける。運営側も利用者もハイツで暮らす、顔の見える関係。お菓子作りやチラシ配布など、住民ができる範囲で協力し、運営を支えているのが特徴だ。

 一方で、夢みんも、ハイツも、今、大きな課題に直面していると松本さんは指摘する。「高齢化」だ。
            ◆ ◇ ◆
 開設20周年を迎えた「夢みん」を通じ、ドリームハイツにおける住民活動の現状や課題を探った。

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