
厚木の歴史、文化、自然を紹介する「あつぎ郷土博物館」(厚木市下川入)の開館1周年記念イベントが18日、始まった。第1弾の「あつぎの遺跡展」では、縄文時代中期、4500年前の大規模なムラ遺跡「三田林根(さんだはやしね)遺跡」(同市三田)の出土品を展示。同日は発掘の成果を報告する講演会も開催し、厚木が縄文時代から豊かな生活の場だったことを紹介した。
同遺跡は、2015年から19年まで2回に分け発掘が行われた。竪穴住居跡14軒、柱穴跡681基、土坑311基が見つかったほか、新潟県の糸魚川周辺でしか産出しない翡翠(ひすい)の装飾品や、人の顔をデザインしたユニークな土器の取っ手(人面把手)など、大量の遺物が発見された。
約50人が参加した講演会では、同市教育委員会文化財保護課の佐藤健二さんが「自然の恵みを受けた豊かな暮らしで、物資が全国から集められていた。厚木では縄文時代から質の高い生活が続いていた」と、調査結果を報告した。遺跡展は2月11日まで、土器、石器、装飾品など約220点を展示する。入場無料。
記念イベントではこのほか、▽1月25日=里神楽の体験ワークショップ▽同26日=相模里神楽垣澤社中による「御祝儀三舞」の公演▽2月22日~3月22日=展示「あつぎの花咲く植物の世界」▽2月29日、3月8、15日=中世史講座「もののふと相模国」-などが企画されている。
同館は19年1月27日開館。入館者は昨年末現在で約4万1600人(うち19年度は約3万人)。19年度の目標の6万人に向け来場を呼び掛けるとしている。
問い合わせは電話046(225)2515。