仕事始めの4日、三浦半島の各地で本格的に業務がスタートした。今年1年の商売繁盛や安全を願って伝統行事などが行われたほか、賀詞交歓会や仕事始め式では各自治体のトップが新年の抱負や取り組むべき課題を語った。
頼朝ゆかり手斧始式
鶴岡八幡宮
新しい年の工事の安全を建築業者らが祈願する「手斧始(ちょうなはじめ)式」が4日、鎌倉市雪ノ下の鶴岡八幡宮で行われた。
源頼朝が1181年に八幡宮を造営する際に執り行った儀式に由来する。1949年に手斧始式として再興され、毎年受け継がれている。

神事は、とび職人らが木遣(きや)り唄を歌いながら、長さ約4メートルの神木を二ノ鳥居から段葛(かずら)を通って舞殿前に運ぶと、伝統的な衣装を身にまとった業者らが手斧やのこぎりを振るった。1年間の安全を祈念する厳かな儀式を、参拝客も見守った。
マグロの初取引
三崎魚市場
全国有数のマグロ水揚げ地として知られる三崎魚市場(三浦市三崎)で4日、マグロの新年初取引が行われた。取引前に開かれた手締め式には、卸売業者など市場関係者約150人が参加し、航海の安全や大漁を願った。

午前8時から行われた式では市場開設者の吉田英男市長が2017年の三崎魚市場の取扱高(速報値)を紹介。取扱額は前年から約11億6千万円増となる約217億円で、全国主要漁港の中で8位から5位に上昇したことなどを報告した。
高度衛生管理化に向けて冷凍マグロ専用の低温卸売場が3月に完成することに触れ、「大きな“箱”ができるので、そこに魂を入れてもらえるよう、業界の皆さんにさらなる力添えをお願いしたい」とあいさつした。式では鏡開きや威勢のよい三本締めも行われた。
市場管理事務所によると、この日の取扱数量はメバチマグロを中心に308本(計18.8トン)と昨年から20本減。メバチの平均価格は1キロ当たり1079円で昨年と同額だった。