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腹話術師が秘技を著作で

話題 | 神奈川新聞 | 2017年12月31日(日) 12:58

新刊本2冊を手に相棒の「ゴローちゃん」とポーズを決めるしろたにさん=川崎市幸区
新刊本2冊を手に相棒の「ゴローちゃん」とポーズを決めるしろたにさん=川崎市幸区

 川崎市幸区在住でプロの腹話術師、しろたにまもるさん(76)=本名・城谷護=が、長年の活動をつづったエッセー本と腹話術の技術解説本の2冊を自費出版した。子どもからお年寄りまで世代を超えて笑いを届けられる腹話術の魅力が感じられる好著だ。

 しろたにさんは長崎県出身で船舶設計技師として働く傍ら、地域劇団「京浜協同劇団」に入団。45歳の時に独学で腹話術を始め、プロの島三紀夫氏に師事し2001年にプロデビューした。

 東京・浅草の寄席に出演するほか、全国の被災地や福祉施設でのボランティア公演も継続。14年には川崎市文化賞を受賞した。

 その30年を超すキャリアを振り返りつつ、芸としての魅力を知ってもらおうと2冊の刊行を決めた。タイトルは「腹話術でいこう!」で、第1巻は「ゴローちゃんの旅日記」(A5判164ページ、1500円)、第2巻は「腹話術の基礎講座と台本集」(同190ページ、2500円)となっている。

 第1巻は国内外を飛び回る活動での出会いや思い出をつづった51本のエッセーを収録。ライフワークとするボランティア公演では、ハンセン病療養所を訪問した際に「初めて腹話術を見た」という入所者の言葉に国の隔離政策の残酷さを感じた話、300回以上訪れた各地の被災地で「元気をもらった」という声に逆に励まされたエピソードなども紹介している。

 第2巻は人形の仕組みや操作方法、唇を動かさずに人形の声を出す方法といった基礎講座に加え、普通なら門外不出の54本の台本・ネタ集で構成した。

 カルチャーセンターなどでも腹話術を教えるしろたにさんは「イロハを易しく教える本がなくて、自分で出そうと思った」と説明。「プロの腹話術師は1950年代~60年代には東京圏に50~60人いたそうだが、いまは数人しかいない。腹話術は1歳から100歳まで一緒に楽しめる数少ない芸。もっと幅広い人たちに腹話術の楽しさを広めたい」と話している。

 1、2巻と実演DVDの3点セットは4500円。問い合わせは、しろたにさん電話044(544)3737。

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