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農作業通し、地域貢献も 県立小田原養護学校大井分教室

話題 | 神奈川新聞 | 2020年1月1日(水) 12:40

田植えから育てた米を収穫する生徒たち(県立小田原養護学校大井分教室提供)
田植えから育てた米を収穫する生徒たち(県立小田原養護学校大井分教室提供)

 県立小田原養護学校大井分教室(大井町西大井)が、児童教育現場での活動を顕彰する博報財団「博報賞」の奨励賞に選ばれた。数年間にわたり取り組んだ農作業を通した就労体験と地域貢献が評価された。榊原一孝室長(41)は「人に必要とされる喜びを感じて成長し、社会へ飛び立ってほしい」と生徒たちを温かく見守っている。

 分教室は県立大井高校内に2011年度に開設。現在は高校3学年で、知的障害や肢体不自由がある計41人が通っている。卒業生の大半が就職することから、在校中に職業経験を積ませたいと、地域の民間施設などと連携。飲食店や介護施設など14カ所が受け入れ、生徒たちは週2回の「作業学習の時間」で就労体験を重ねている。

 今回受賞した米作り体験は、16年度に分教室近くのNPO法人ワーカーズコープ小田原・足柄地域福祉事業所(報徳ワーカーズ)の協力で始めた。17年度には栽培した無農薬米を「うまいう米」と命名し、ブランド化。報徳ワーカーズの関係する地元スーパーで店頭販売も体験した。


耕作放棄地のミカン畑でミカンをもぐ生徒たち(県立小田原養護学校大井分教室提供)
耕作放棄地のミカン畑でミカンをもぐ生徒たち(県立小田原養護学校大井分教室提供)

 もう一方の受賞内容でもある耕作放棄地のミカン畑を再生する取り組みは、小田原市との共同事業。17年度に始め、製品開発プロジェクトにも協力した。人の背丈ほどの雑草が生い茂った公園の草刈りなどの整備も担っている。

 作業は「専任」と呼ばれる1~3年の6人組が専従で実施。米作り専任の五十嵐洋介さん(17)は「おいしい米を食べてもらいたい。米が売れたり、食べてもらえるとうれしい」とやりがいを口にする。受賞には「うれしい涙」と笑顔を見せた。

 ミカン畑と公園専任の矢作翔悟さん(17)は「草ボウボウの公園に初めは絶望しかなかったけど、子どもの遊ぶ場は必要。草を刈ることで地域のためになっている」と作業に意義を見いだしている。「先輩、後輩、みんなで作業できてよかった」と、全学年での作業も楽しんでいる。

 榊原室長は「作業ができる」「地域で認められている」という自己肯定感が生徒らにいい影響を与えていると指摘する。「第三者から感謝されるのはまた違った魅力がある。自信とともに次への意欲につながっている」

 同分教室は新たな就労体験の場も探しており、榊原室長は「今まで挑戦したことのない業種で経験の幅を広げていきたい」と話している。

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